WEB業界で働く人や興味がある人に役立つ情報サイト“qam(カム)”

2026/09/21

「方向性とコンセプトの違いって?」聞かれたら困るを解消!

投稿者: ぱちまる
カテゴリー: マーケティング >ディレクション

「方向性」と「コンセプト」の違いは何か?と問われて
パッと答えられる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
方向性とコンセプトは、同じ扱いで使われている場合も時折見受けられます。
しかし、2つは別物であり、この2つが混同してしまうと
プロジェクトを進めるうえで大きなブレを引き起こす原因となります。
今回は方向性とコンセプトの違いについて解説していきます。

クイズ!どちらがコンセプトでしょうか?

方向性とコンセプトが混同していないかチェックするために、まずはクイズをしてみましょう。AとBの2つの選択肢があるので、どちらが方向性で、どちらがコンセプトかを予想してみてください。

Q1.カフェ・飲食店

A:地方から出てきて都会で一人暮らしをしている20代の若者をターゲットに、実家のような安心感を感じてもらい、日常的に通ってもらえるようなアットホームな飲食店

B:「実家の母親から送られてくる仕送りの惣菜」を再現し、栄養バランスと、飾り気はないが安心する味付けに特化した、実家依存型の定食屋

Q2.アプリ開発

A:英語を勉強したいけど、仕事が忙しくて毎日10分も机に向かう時間が取れない20代〜30代の会社員にむけた、生活のスキマ時間を使って、無理なく英語が習慣化できるアプリ

B:スマートフォンのロック画面を解除するたびに、画面に1問だけ3択の英語クイズが強制的に表示され、それに答えないとロックが解除されない仕組みにすることで、勉強する意識すら持たせずに日常の動作に学習を組み込む、「スマホ解錠の1秒」を学習に変えるロック画面連動型の英会話アプリ

Q3.飲料メーカー

A:国産の有機栽培の茶葉だけを100%使用し、これまでのペットボトル緑茶の2倍の時間をかけて低温抽出することで、苦味を抑えて旨味だけを極限まで引き出した、夕方の疲れた胃に優しい「リフレッシュ専用の超濃厚カフェインレス緑茶」

B:毎日デスクワークで忙しく、夕方になると疲れやストレスが溜まる30代〜40代のビジネスパーソンに向けて健康的でリフレッシュできる、少し贅沢で大人向けのお茶

答え合わせ

どうでしょうか?
答えはQ1.B、Q2.B、Q3.Aがコンセプトでした!
当たっていましたか?

違いは「動かせるか」「動かせないか」

結論からお伝えすると、方向性とコンセプトの違いは「そこに向かうための道筋(ベクトル)」か、それとも「動かせない独自の軸(中心点)」か、という点にあります。

方向性は、「目的地やコンセプトに向かうための、大まかな進む向き(ベクトル)」であり、「あっちの方へ進もう」「こういう雰囲気でいこう」という、選択肢を絞り込むためのガイドラインです。状況に応じて、多少の軌道修正があります。

コンセプトとは、「すべての意思決定の基準となる、独自の切り口(軸)」であり、「それは一体何なのか?」「なぜ他ではなくこれを選ぶべきなのか?」という問いに対する、本質的な答えです。「動かせない、プロジェクトの軸」となるものです。

方向性だけでプロジェクトを進めようとすると、「〇〇な人向けに、〇〇な良さを提供しよう」という、まだ世の中にたくさん似たようなものがある、一般的な分類のレベルにとどまり、他社と似たサービスが乱立してしまいます。

コンセプトまで落とし込むと、プロジェクトに対し、独自の軸ができ、商品やサービスを設計図レベルまで確立できます。そうすると、プロジェクトが進行していっても、関わる人間全員が迷わずに作業に取り組めるようになります。

「方向性」「コンセプト」は、どう決める?

決めるための4ステップ

【方向性】ターゲットの不満や不便を見つける(誰の)
【方向性】目指すべきゴールをふんわり決める(どこへ)
【コンセプト】他社がやっていない「独自の手段」を1つ決める(どうやって)
【コンセプト】「設計図の型」に当てはめて言語化する(ブレない軸の完成)

ステップ1:【方向性】ターゲットの不満や不便を見つける

まずは「誰に向けて」進めるかを決めます。このとき、単に「30代男性」と決めるのではなく、その人が日々感じている「小さなイライラや、諦めている不満」を1つ特定します。

具体的には「〇〇な人は、日々〇〇という不満・不便を抱えている」といったように言語化していきます。
例:「忙しいビジネスパーソンは、英語を話せるようになりたいけれど、毎日10分も机に向かう時間が取れずに挫折している」

ステップ2:【方向性】目指すべきゴールをふんわり決める

ステップ1の不満を解決するために、自分たちが「どの方向(ジャンルや雰囲気)」へ進むかの旗を立てます。これで「方向性」が完成します。

こちらも具体的にどう行うかというと、「今回のプロジェクトは、〇〇なジャンル・雰囲気で、〇〇な状態を目指す方向でいこう」といったふわっとしたゴールを決めていきます。
例:「生活のスキマ時間を使って、無理なく英語が習慣化できる、手軽で楽しい英会話アプリの方向性でいこう」

この段階では、まだ競合との差別化はできていないので、独自の価値を生み出すために、次のステップでコンセプトを決めていきます。

ステップ3:【コンセプト】他社がやっていない「独自の手段」を1つ決める

ここからコンセプト作りに移ります。
ステップ2で決めた方向性を実現するために、「他社が絶対にやっていない、尖った手段」を1つだけ選びます。ポイントは、「これをやる代わりに、他(一般的な機能など)はあえて切り捨てる」と決めることです。

動きとしては、「他社は〇〇という手段をとっているが、うちはあえて〇〇という独自の手段だけで解決する」と、他社にない独自性を決めていきます。
例: 「他社はアプリを開かせて学習させるが、うちはあえて『スマホのロック解除画面』をジャックして強制表示する手段をとる」

ステップ4:【コンセプト】「設計図の型」に当てはめて言語化する

最後に、ステップ3で決めた独自の手段を、先ほど定義した「設計図であり、ブレない軸」の形に落とし込みます。
以下の【コンセプト構築の型】に当てはめていき、誰にでも伝わるようなコンセプトをつくります。

【コンセプト構築の型】「ターゲットの行動・状態の瞬間に、〇〇という独自の手段によって、〇〇という差別化された価値を提供する、〇〇専門のサービス)」
当てはめた例:気分が乗らず、取り掛かるのに時間がかかってしまう勉強を「スマホを解錠する1秒」を学習に変え、勉強する意識すら持たせずに日常の動作に学習を組み込む、ロック画面連動型の英会話アプリ。

といったような感じです。

それぞれの決め方をまとめると、以下のようになります。
方向性の決め方: 「誰のどんな不満を、どういった感じで解決するか」という目的地の選択をしていく。
コンセプトの決め方: 「他社がやらない独自の手段を1つに絞り、他を切り捨てる」という独自のルート(設計図)を確定させていく。

この順番でステップを踏むと、途中でアイデアがブレることなく、パンチの効いた強いコンセプトを生み出すことができます。

まとめ

方向性とは:「チームの視線を揃えるための、大まかな目的地(ベクトル)」です。「誰に向けて」「どんなジャンルや雰囲気で」進めるかという外枠(ガイドライン)であり、まだ世の中に多く存在するふんわりした共通認識のレベルを指します。

コンセプトとは:「すべての意思決定の基準となる、独自の設計図(ブレない軸)」です。定めた方向性の中で「他社とどう完全に差別化するか」という独自の手段(主役)が1つに絞り込まれており、誰が聞いても具体的に何を作ればいいかが一目で想像できる世界観の構造を指します。

いかがでしたか?方向性とコンセプトは、混同してしまいがちですが、気を付けながら進めていくとより良い提案ができるようになっていくと思います。
今回ご紹介したお話が参考になれば幸いです。

コーディング業務のご依頼、ご相談の詳細についてはこちらから

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よろしければシェアしていただければ幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

よろしければこちらの記事もお読みください。

WEB業界ならqam!qam(カム)はWEB業界で働く人や興味がある人に役立つ情報サイトです。
マーケティングやデザイン、マークアップ(コーディング)、プログラム、トレンドなどの情報をqamライター陣が執筆。噛めば噛むほど(読めば読むほど)制作・開発や運営・運用、業界知識やノウハウを学ぶことができます。

トップへ